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150928 (レポート)ボランティアガイド養成講座上級編②

いぶきの森 山田勢三郎の碑
石原坂トンネル公園(トンネルの西側)には、山田勢三郎頌徳碑が残っている。この地で誕生した勢三郎が、山田錦の母親品種である山田穂を発見したということから、勢三郎をたたえ明治37年勢三郎の還暦を祝い建てた。現在多可町では山田錦が多く栽培されているが、東安田地区では2006年から白鶴酒造と10町歩「白鶴錦」の契約栽培をしている。白鶴酒造は「山田錦」の母にあたる「山田穂」と父にあたる「渡船」を交配させ、「山田錦」の兄弟品種白鶴錦を作り出した。
 このような話はガイドの案内があってこそ、地域内に広がる田んぼを見る目が違ってきた。
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善光寺と大イブキ
平安時代の建立といわれる善光寺境内に、高さ17mの巨木(大イブキ:樹齢およそ600年)がある。
約400年前に明智光秀が寺を攻めた際、このお寺の薬師堂に火を放ったが、祀られている薬師如来は少しも燃えなかった。怒った光秀が突き立てた杖が根を張り、イブキの大木になり現在に至っていると伝えられている。
イブキはヒノキ科に属し、本来は海岸近くに分布するが、内陸部でこのように大きくなっているのは珍しいとのこと。また、周辺は草刈の管理はされているが、人の余計な手が入ってないため、豊かな自然が残っている。ただ、鹿用の柵が張り巡らされ、防護柵の門を開けて見学した。
善光寺は中区で一番古い寺だが、現在は無住、本尊は姫路の歴史博物館に保管されている。
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安田稲荷神社
ガイド役宮崎和明さんが神主を務める神社。本来なら入れない拝殿の奥、弊殿まで入り(ちょうど秋祭りの浦安の舞を毎夜練習中とか)、元和3年(1618年)の棟札(創建の証拠)を見ながら説明を受けた。神社は元々西安田のイヤガ谷にあったが、暦応3年(1340年)宮ヶ谷に移り270年あまり後社殿が焼失、現在の地に移った。2018年には400年祭を行う準備をされている。
 五穀豊穣、商売繁盛、殖産興業にご利益があるといわれ、毎年10月には4基(東安田、中安田、西安田、羽安)の太鼓が宮入し盛大に祭りが行われる。
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法幢寺
夢窓国師の開基により、足利尊氏が建立したとされ、徳川家代々の将軍から朱印状も賜里、現在も保管されている。足利家と徳川家のどちらにもなじみの深い法幢寺の門には、徳川家の葵紋と足利家の丸に一つ引き紋の2種類の家紋があり、鐘楼には大禺禅師の名があることから創建当時の物が残されている。また、左手に広がる見事な作りの放生池が、より深みある寺の風情を醸し出している。
本堂からの眺めは、集落の田園風景が広がり、豊かな地域であることがわかる。
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円満寺
法道仙人が開基といわれている高野山真言宗のお寺。室町時代の大火で消失したが、慶長14年(1609年)、明覚上人によって中興された。上人は仏様の夢のお告げを受け、円満寺の建て直しを行った、その頃、物の怪に苦しめられていた姫路城主、池田輝政公のもとに出向き、祈祷を行い、数日後物の怪はあらわれなくなり、輝政公は大変感謝し、円満寺にたくさんのお礼を供えたと言う話が残っている。
また、円満寺にあるイチョウの木は「乳の木」と呼ばれ、母乳不足の婦人たちが祈願すると必ず乳を授かったと言われている。なお、本堂には、薬師三尊が安置されている。
近くに立派なお寺が2つもあること、随分山奥であることが不思議だったが、円満寺は山を越えれば鍛冶屋へは近く、檀家もほぼ鍛冶屋とか。古絵図を見ながら、昔の暮らしを皆で思い描いた。
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武嶋山
東安田の東南端、西脇市大木町との境にある岩山で、頂上には観音を祀る堂がある。
約700年前に、尼寺として開山したと伝えられ、山の中腹に清巌寺があり本堂の北側約50mにある大岩に約1、4mの像が刻まれている。像は、神変大菩薩で別名、役行者(えんのぎょうじゃ)とよばれる修験道の祖を刻んでいるが、現在は周囲の木が大きくなりかなり見えにくい。また参道には、四国八十八ヶ所、番外13カ所、西国33箇所の石仏が並ぶ。毎年3月に、交通安全・家内安全・商売繁盛などを祈って、大護摩供養が行われている。
多可十景の一つとして知られる景勝の地でもあり、春にはコバノミツバツツジが見事。
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安田郷の歴史、宗教、暮らしなどを見て回ったが新品種の白鶴錦の栽培、メガソーラー発電事業も進んでいて、興味深い地域だった。


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